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チャールズ・エリスのプロフィール

アメリカの資産運用分野における権威の一人。ハーバード・ビジネススクールでMBA、ニューヨーク大学でPhDを取得後、金融会社や投資銀行の経営・マーケティング戦略に関するコンサルタント業務を行う。全米公認証券アナリスト協会会長なども勤める。そのほか多数の投資関連本を出版している。

結局、運用機関は満足な成績を収めていないと、ベッカー・セキュリティーズやメリルリンチや他の多くの運用評価会社から信じられない報告が相次いで出されている。一流のファンドマネジャーでも、プラスのリターンを稼ぎ出していない。たしかに、長い間株価は低迷してきた。彼らは市場平均以上の成績を上げていない。市場平均より高いリターンを約束してきたにもかかわらず、ファンドマネジャーは市場に勝っていない。市場が彼らに勝っている。

残念なことに機関投資家のポートフォリオのパフォーマンスは徐々に低下してきている。景気サイクルの底と底との間のリターンを計算すると、市場平均に比べてどんどん悪化している。つまり、アクティブ運用のコストは上昇する一方なのに、リターンは低下する一方のように思える。

人が自分の予想と矛盾する情報に出会ったとき、その反応は二つに分かれる。ひとつは自分の予想の正しさを否定しなくてもすむように、新しい情報を拒否する。もうひとつは、新しい情報をあるがままに受け入れようとする。現実を自分に合わせるのではなく、自分を現実に合わせようとする。優秀な人間ほど前者を選びやすい。

株式市場で負けやすい市況で勝つ4つのポイント

  1. 明確な戦略を立て、忠実に遂行する。
  2. 単純化する。単純であるほど良い。投資ターゲットをできるだけ絞る。
  3. ディフェンスに徹する。
  4. 投資を深刻に考えすぎない。投資家たちが市場に勝とうとする努力が、問題解決のための手段ではなく、むしろ問題を引き起こす最大の要因になってしまっている。

最近の運用評価機関の調査によれば、市場平均以上のリターンを長期にわたって維持できるポートフォリオマネジャーなどいないことがわかる。過去10年間の数字を見ると、この既刊のファンド総数の実に85%の成績は、S&P500を下回っている。リターンの平均は5.4%でこれはS&P500より10%も低い。

ファンドマネジャーのほとんどは、自分が市場に勝てると思っていると自ら語る。しかし、そんなことは無理である。私の経験上、優秀なファンドマネジャーの多くは、高い分析能力を持つ反面、自分の手法が成り立つ前提が妥当かどうかあまりよく考えないようだ。理論の組み立て方には問題はなくても、その理論の前提自体が間違っていることに気づかないことが多い。

資産の運用方針を立てる6つのポイント

  1. 想定と逆の運用結果が生じたときの本当のリスクは何か?短期的に受け入れられないリスクは必ず回避する。(例:高校3年生の子供がいて大学学費積立資金を高リスクの投資に回すようなことはしない)
  2. 精神的に耐えられる下落はどこまでか決める。
  3. 自分自身がどれだけ投資や市場の知識を持っているか把握する。十分知識がある投資家は多少の市場変動に動じなくなり、極端な行動に走らなくなる。
  4. 自分の持っている他の資産状況を把握する。
  5. 法的規制を十分に知っておく。
  6. ポートフォリオの資産価値の短期変動によって資金不足が生じ、運用方針に狂いが生じるかどうか把握する

個々の投資化の状況や目的を十分に掘り下げて理解することが、一つ一つのポートフォリオの運用方針を確立する基礎となる。

投資家はポートフォリオの長期収益率を向上させる上で多くのことができる。しかし銘柄選択の技術によってではなく、運用の長期方針を決め、これを貫き通すことで収益率向上が可能になる。投資の方針はどんなに優秀な運用機関に任せたとしても自分で主導権をとるべきだ。運用方針の決定は放棄することはできても委託することはできない。

市場変動が激しいときに、どこまで許況容するかをはっきりと決めておく必要がある。運用方針がぐらつき、変更への誘惑が最も強くなるのは、市場が極端に動いたときだからである。個人投資家に関しても、自分の経済状、つまり収入、貯蓄、教育負担の状況や投資についてのスタンスなどを本当に把握しているのは本人だけである。

ほとんどの運用機関は投資家の本当のニーズを知らずに運用している。これは運用機関のせいではなく投資家のせいなのだ。ここの顧客のニーズを十分に把握していないため、運用機関はどのファンドも同じように運用する。年金基金から企業の利益配分プランにいたるまであらゆるタイプのファンドが似たような(ポートフォリオの)資産配分で同じように運用されている。

機関投資家が支配する市場では、流動性は利益よりコストの源泉になってしまった。機関投資家が市場全体に占める比率はわずか10年で取引量の30%から70%に拡大した。これは決定的に重要な変化だった。プロのファンドマネジャーはもはや市場動向に無知なアマチュアと競争しているのではない。他のプロと競争することになったのだ。

機関投資家同士の競争が激しくなった結果、ポートフォリオの売買回転率も10%から30%へ上昇した。このような回転率の上昇にくわえて、機関投資家の保有する資産が拡大し、年金基金が株式へと比重をシフトしてきたことによって、機関投資家が市場に占める比率が30%から70%に拡大した。このため、ポートフォリオの入れ替えは、利益ではなくコストをもたらすようになった。

運用業界は「投資のプロが市場に勝てる」という前提の上に成り立っている。しかし、この前提は正しいのだろうか?ファンドマネジャーが市場に勝てるはずという命題は、二つの前提の上に成り立つ。ひとつは市場の流動性がプラスに働くこと。ふたつめは投資が勝ちやすい「勝者のゲーム」であること。

市場平均より20%高いリターンを出そうという投資家は、手数料や取引コストなどを含めた総合額では、市場平均より40%も高いリターンを上げなければならない。言い換えれば、ネット(実質)で市場平均並みのリターンをあげるためには、総合額で市場平均を22%上回る必要がある。しかし、すべての機関投資家が実質的に市場そのものとなってしまった状況で、他のプロよりもそれだけ高い成績を上げ続けることが可能なのだろうか。

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