「ポール・A・サミュエルソン」タグの記事一覧

このエントリーをはてなブックマークに追加

ポール・A・サミュエルソンのプロフィール

第2回ノーベル経済学賞受賞者。アメリカを代表する近代経済学者。経済学を数学的に精密化し、応用経済学の分野で活躍した近代経済学の父。世界的ロングセラーの経済学の教科書「経済学 入門的分析(Economics: An Introductory Analysis)」を書き、50年以上も改訂を行う。「経済学」は41カ国語に翻訳され、400万部以上刊行された。ケインズの思想をわかりやすく解説し世界に広めた人物。

将来の価格を、過去と現在の価格から予測できないのは、経験法則が貫徹していないためではなく、逆に競争が十分に働いて、経済法則が貫徹しているためである。

投資において流行に乗ることでまともな成績を収められると思ったら、大きな間違いである。

私が投資家自身が必要とする現金の重要性を強調するのは、どこまでリスクを許容するかという決定を運用機関が行うもではなく、投資家自身が行うべきだと考えるからである。自分の将来的に必要な現金について過去の行動から判断し、今後の計画に反映できるのは運用期間ではなく、投資家本人だけであるはずだ。

ポートフォリオの現金化しやすさの程度は、ポートフォリオのリターンの変動幅に直接比例するため、「現金化のしやすさ」と「リターンの変動幅」は同じものとして扱われることが多い。とすれば、変動幅をリスクの指標として使っても問題はないといえるかもしれない。しかし、現金に対する投資家のニーズは、投資家によってばらばらだ。

「投資家のリスク」とは、ポートフォリオの元本・配当・利息の現金化で生まれる最低限のキャッシュフローと、投資家が将来最大限に必要とするキャッシュフローの間のバランスである。資金不足が出るようであれば、リスクが認識されるということだ。将来的なキャッシュフローについての予測の前提の正確性が、リスクを算定する上で重要になる。

将来必要な現金をもとにポートフォリオ構築を行うことで、投資家は将来的な支出計画をより慎重に立てるようになるだろう。また、より明確で賢明な資産配分計画を立て、維持するようになるだろう。

リターンの変動幅が大きいほど、十分に分散されたポートフォリオのリターンは増加するので、投資家は自分の将来的な現金のニーズを前提として、どこまで変動幅を受け入れるか自ら決定すればいい。どの程度変動幅を受け入れるか、理論上可能なリターンのレベルを決めるのは、あくまで投資家自身の将来の必要とする現金ニーズである。

「投資家のリスク」とは必要な支払いのための現金が足りなくなる危険性である。通常、リスクの指標として用いられるリターンの変動幅は、投資家の資産を現金化したときの上下の幅を示す。しかし、この指標は投資家側の今後の様々な支出について考慮していない。

投資ポートフォリオというものは、その語源から見ても現金ではない。紙切れの束である。買い物をしたり、借金を返そうと思えば現金が必要である。ポートフォリオを保有する最大のリスクは、保有期間まはた売却後に、さまざまな支払いに必要な現金が不足するということである。シュミットはこう指摘する。「投資家というものは究極的には、ポートフォリオを現金に換えることによって将来可能となる「消費」に関心がある」

一般的に使われている「ポートフォリオ・リスク」という概念は、それだけでは何の役にも立たない。ウェブスター大辞典によると「リスク」とは「損失あるいは損害の可能性」である。しかし、「何の」損失かがわからなければ、この言葉に何の意味もない。

ポートフォリオ資産を現金化する際、どこまで正確に予想できるかについては、長期・短期の両面からすでにさまざまな研究がされている。しかし通常の議論からは、投資家自身の負債についての議論が抜け落ちている。投資家の将来的に必要な現金や、必要になるタイミング、額や予想可能性といったものについての検討がまったくされていない。

確率というものは「何の」確率かが示されていなければ無意味である。ある投資雑誌の編集者が顧客に語ったこの言葉のように。「ポートフォリオの構築でもっとも重要なのは、損失が生じた場合の結果である。損失が生じる確率よりもはるかに重要なのだ」

ファンド資産が投資家の支払いニーズを満たすために存在し、ファンドによって現金支払いの金額・時期・計画などが大きく異なる以上、従来のようなリスクのとらえ方は、投資家の目的にあっていないといえる。

ポートフォリオ・リスクをリターンの変動幅として考えることの最大の問題点は、変動幅の大きさがなぜ問題なのかを必ずしも明らかにしていないからだ。身近な例として、天気について考えてみよう。毎日レインコートを持って歩く手間を考えれば、ほとんどの人はにわか雨でぬれるくらいはかまわないと思っているだろう。しかし、登山家の場合は別だ。少しでも荷物を減らせれば歩くのがずいぶん楽になる。それでも慎重な登山家は雨具を十分に用意するだろうし、テントも準備するかもしれない。変動幅というものは、一つの統計的な確率を表すに過ぎない。結果にどのような影響が生じるか示されなければ変動幅に意味はない。

『競争的な市場では、すべての売り手に買い手がつく。そして価格が確実に上がるという予想ができるなら、その価格は既に上がっているはずだ』競争的市場における価格のある期間における動きは、なんら法則性のないランダム・ウォークになるはずだとされる根拠はこの辺りにある。この問題を考えれば考えるほど、このような抽象的な議論に何の意味があるのか疑問がわく。過去数十年間アメリカの株価が年平均5%以上の上昇を続けてきたということは、バイアスなきランダム・ウォークの議論と整合するものなのだろうか。

日常的な現象を見る限り、将来の予測はすでに現在の価格形成に織り込まれているという議論は、必ずしも正しいとは言えなくなる。たとえば、現実の市場参加者のすべてが将来の予測に対してまったく無能だとすると、事後的な価格変化が何らかのパターンを示す理由はありうるだろうか。あるとすれば、その根拠は何か。こうした問いに対する答えがどうであれ、穀物の現物先物取引所の価格が何らかの確率モデルに従って動いていないという保証はない。

ランダム・ウォーク的に価格が変動する商品もないわけではない。しかし、これらはいわば偶然の産物と考えるべきだろう。だから「穀物のスポット価格の推移には時間的な相関関係が認められない」というモーリス・ケンドールの発見は「証明しすぎ」である。先物市場でこの法則が当てはまっても、とくに驚くようなことではない。しかし、スポット価格は天候や収穫高、人口や収入、好みの変化によって、需要と供給がシフトすれば変動する。実際、天候だってある種の時間的パターンに従って変動する。

株式投資、ファンド、外為取引などの投資やお金に関する格言を掲載しています。

姉妹サイト:名言DB
仕事で使える名言を切り口にまとめた名言のデータベースサイト。経営者、起業家、ビジネスマン、コンサルタントなどの言葉を中心にビジネスで役に立つ情報を掲載しています。

ページの先頭へ