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本間宗久のプロフィール

【本間宗久 ほんま・そうきゅう、むねひさ】江戸時代、日本の投資家、投機家、相場師。現在でも使われている投資チャート分析手法の酒田五法の考案者。1724年、山形藩酒田生まれ(現在の山形県酒田市)。
23歳の時、酒田の豪農本間家の養子となる。
大阪の米相場で才能を発揮。後に江戸に移り、ここでも成功し、「相場の神様」「出羽の天狗」と称される。その活躍ぶりは、『酒田照る照る、堂島曇る、江戸の蔵米雨が降る。』『本間さまには及びもないが、せめてなりたや殿様に』といった唄が流行るほどであった。

酒田五法を考案し、テクニカル分析の先駆者の一人として名高い。「宗久翁秘録」「酒田戦術詳解」「本間宗久相場三昧伝」といった書物が、宗久の手になるものとして現在に伝わるが、明治以降にまとめられたものとの説もある。
本間家は宗久の作った財をもとに日本最大の地主となっていく。

唯々、平日此の米上がるか下がるかを考え、仕掛け申すべきこと肝要なり。

前年、売り方にて利運得たる人はとにかく売り気離れ難く、売り方に向くものなり、以ってのほか、宜しからず。新米出初め候ては、前年の心さっぱりと離 れ、その年の作の様子、物の多少、人気の次第を考うること第一なり。まず、秋米は買い方を第一にすべし。それとも算用にも釣り合いにも合わざる値段なると きは、それより了見を致すべきことなり。前年、買い方にて利運致す人も右同断なり。

商い進み急ぐべからず。売り買いともに思い入れ進み候時は、今日よりほか、商い場なき様に思うものなれども、是は功者なき故なり。幾月も見合わせ、通いを考え、たしかなる処にて仕掛くべきなり。無理に天井値段、底値段の考えなく仕掛くる故、手違いになるなり。是、急ぐ故なり。

人の商いうらやましく思うべからず。但し、うらやましく思う時は、その時の相場の位を弁えず、唯うらやましく思う心計りにてする故、手違いになるなり。

足らぬものは余る、余るものは足らぬと申すことあり。但し、多きものは諸人沢山と心得、油断して覚悟せず、それゆえ極意不足するなり。不足なる物は人々、油断無く、覚悟してととのへ置く故、極意は余るなり。

『この米是非、是非上がるべし、今日中に買うべし』と進みたち候節、二日待つべし。『是非、是非下ぐべし』と売り気進む時は、是又、二日待つべし。是極意の秘伝なり。すべて、天井値段の時に成っては、見計らい第一なり。天井値段出る時は、売るべしの心専一なり。底値段の節は買うべしの心専一なり。この心掛け忘るべからず。

年中の内、両三度より外、商い致すところこれ無きものなり。この米、二三ヶ月も上がる下がる、とくと見きわめ、買い気ならば買い気立て抜くように、その間の高下に迷わず、立羽(市況・トレンド)を定め申すべきことなり。それとも少しにても心もとなきことあらば、幾月も見合わせ、図に当たる頃仕掛くべし。時々、気を転じ候ては利を得ることならざるなり。

底値段にて保ち合い、上げかかる米は二・三ヶ月に急に天井値段でるなり。その節、百俵上げを的にして買い重ねて善きなり。

相場、二三ヶ月も高下なく、又通いにておる時は、十人が十人退屈し、強気の人も弱気に赴き、売り方の人は図に当たると心得え、なおなお売り込み、その後 決して上がるものなり。その節さてこそと弱気強気とも一つに成り、一度に騒ぎ立て買い返す故、俵飛ばし急上げになるなり。十人が十人片寄る時は決してその裏来るものなり。考えの通りに来るものなれば心易きものなれども、右様には来たらず、考えに及ばざるなり。陰陽自然の道理なり。

何程利運を得ても、この休むことを忘るる時は商い仕舞いの時は極めて損出ると心得べし。
但し、商い仕舞い休むというは、何心なく休むにあらず、その気の強弱を離れ、日日通い高下を油断無く考うべきなり。又前年売り方にて利運する時は又々強気 に張り詰めるものなれども、これ又前年の気をサッパリ離れ、その時その年の作の様子、物の多少、人気の次第を考うること第一なり。

不利運の節、売り平均買い平均、決してせざるものなり。思い入れ違いの節は早速仕舞い、四・五十日休むべし。十分仕当たる商いにても、商い仕舞い候後は四・五十日休み、米の通いを考え、三位の伝に引き合わせ、図に当たる時を考え又仕掛くべし。

商い利運仕当たる時、先ず大概に致し、留むるものなり。その節一両日休むべし。この休むことを忘るる時は、何程利運に向きても、商い仕舞いの節は決して損出べし。
勝ちに誇り、百両の利は二百両取る気になり、千両二千両の気移り、欲に迷うて見切りかね、損出るなり。これ欲より出で迷うなり。不利運の時はなおもっての事なり。
その時の見切り大切のことなり。慎み心得べし。

底を見極め買い付け、余程の利分付き候節、相場、保ち合い候か、又少々引き下がることあり。その節、利足勘定等致し、先達上げの節売り返さざるを思うことあり。はなはだ心得違いなり。底を買い出す時は落ち引きなき前に、決して売らざるものなり。底の買い引き上げ、落ちになる迄買い重ねるものなり、心得べし。

米買うべしと見込み候時、二俵方も引き上がる時は、買いおくれじと心得、かえって売り方になることあり。はなはだ誤りなり。買いおくるる時は唯買い場を待つべし。

米の高下は天性自然の理にて高下するものなれば、極めて上がる下がると定め難きものなり。この道不案内の人は迂闊にこの商いすべからず。

新商い始めてより、段々引き上げ、大騒ぎ出て、天井値段に成り、其の日二俵三分迄出て行き当たり、その日の内に狂い、二俵二三分迄返す、この日の二俵三分に心を付け考うべし。この米、又一両日のうちに二俵半六分迄通うものなれども、二俵三分迄引き立つ勢いなく。クラリ三俵台へ返すものなり。ここにて売り 込むなり。急に二俵三分迄引き上げ候米故、三四俵の内は人気張り詰めおる故、四俵台へ下がる時は又々三俵へ買い戻すものなれども、自然と買い手なく、五六俵迄下がるなり。
この時、米を考え買いに入るるものなり。極めて三俵台へ上がるものなり。是大通いなり。
次の月二俵三分をうち越し一二分とも上がらば油断なく買いに入るべきなり。
又次の月、三俵位二俵六七分に上げ止げ留まり候はば、思い入れに売り込むべし。

急に下げ、急に上がる相場は天井底の日限定まらず、見計らいを取りて仕舞うべし。

米段々下げ、上方相場替わること無く、諸国並びに最上払い物沢山の風聞、人気も揃い弱く、何程下がるも知れ難く、我が考えも弱かるべしと思う節、 心を転じ買いに入るべきなり、この思い切り、海中へ飛び入る心持ち、はなはだ成りにくきものなれども、其の節疑いの気を生ぜず買うべし、極めて利運なり。 下げと見込む時、思い入れの通り下がるものなれば心易きものなれども、人気下がると片寄る時、かえって上げるもの故、考えに及ばざるなり。上げも同断、す なわち海中に飛び込む心待ち、極意なり。

米、段々上がるとき、諸国不時申し出し、大阪相場も加え、跡も引き上げ候沙汰、御蔵米など申し立て、なおなお上げ、人気も強く、我も買い気に付き 候節、心を転じ売り方に付候事肝要なり。是すなわち、火中へ飛び込む思い切り、一統騒ぎ立つ節は、人々西に走らば、我は東に向かう時は極めて利運なり。

下がる米は月頭に強く、月末二十九日晦日迄下がるものなり。上げ相場の通いは月頭弱く、月末強く急上げの方なり。(簡約|米相場では下げる場合は月頭に強気相場で月末になってそれからどんどん下がっていく。上げる場合は月の頭は弱気相場で月末に急激に強気相場になる)

天井底の位を考え売買すべし。天井値段底値段出ざる内は幾月も見合わせ、図にあたる時を考え、売買すべし。商い急ぐべからずとは天井底を見ることなり。天井底を知る時、利運にして損なきの理なり。【簡約|相場では天井値と底値を常に考えトレードしなさい。想定している天井値、底値にならないうちは何カ月も待ち、底値天井値が来るまで待ちなさい。トレードを急いではいけないというのは天井値底値をしっかりと見極めろということ。天井値底値を見極められたら利益が出て損しないものだ。】

踏み出し大切なり。踏み出し悪しき時は決して手違いになるなり。また、商い進み急ぐべからず。急ぐ時は踏み出し悪しきと同じ。売買共、今日より外、商い場なしと進み立ち候時、三日待つべし。【簡約|相場は売り買いを仕掛けるタイミングが大切。仕掛けるタイミングが悪ければ失敗する。また、トレードは急いではいけない。焦り急ぐとスタートが悪かった時と同じ結果になる。売り買いともに今日を逃したらチャンスがないと焦ったら3日待って頭を冷やすべし】

腹立ち売り、腹立ち買い、決してすべからず、大いに慎むべし。

段々上がる時はここにて売りならしすべしと売り込む故、自然金高成嵩(かさ)み、後々は売り返しも買い返しも自由にならず、大事に及ぶなり。付き出し商いを慰みのようにうっかり仕掛ける商いより発するなり。例えば百両分仕掛けるとも容易に心得ざるものなり。とくと米の通い運びを見定め、作割金割等を考え、売買とも付き出し申すべきことなり。

相場保ち合いの時(相場が動かないとき)うっかり慰みに商い仕掛くることあり、はなはだ宜しからず、慎むべきなり。この商い強いて初念の思い入れを離れ難きものなり。よほど玄人ならで、見切りできざるものなり。例えば百両売り付け候て、少々上がる時、最初踏み出しの百両分に念を残して買うことを忘れ、又々売り重ねる心になるな り。

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